konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

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学んでるのかな

うーん。分からん。

最近よく分からんのですよ、いったい何を学んでるのか、はたまた、何かを学んでるのかどうか。

ここの更新ペースも月1くらいに落ちてきてますが、なにか頭に刺さることがあって書こうとしても、ハタと手が止まってしまい、 「う~ん、もうちょっとアタマがすっきりしたら書こう」と思って、いつもそのままになってしまうのでした。 このままいつまでも書かかなそうなので、すっきりしないまま書いてみることにします。

MITでもHarvardでも、間もなく春学期の前半が終わろうとしていて、学期前半分の授業は今週が最終回。今期の授業は、 ケネディで4つ、スローンで3つ、教育大学院での聴講が1つ。

ケネディの学生の推奨数は4つとされている中、これはやりすぎで、日によってはMIT-Harvard間を2往復 (片道15分のバス/地下鉄の中ではひたすら読み物)。皆に「クレイジーだ」と言われつつも、自分の中で次第に見えてきたテーマに沿って、 逃せないものを選んだらこうなりました。なんとか生き延びてますが、さすがに大変。精神的プレッシャーは仕事してた時よりは低い (やんなくても人に迷惑かからない)ですが、起きてる時間はもしかしたら仕事してた時より長いかも。。。

自分のテーマ、というのは3つくらいあり、そのうち1つは「世界はどう動いていて、どうしてそう動いていて、どうしたら良くなるのか? 」

って書くと大それたものに見えてしまいますが、そう高尚なことじゃなく、ここ1年半、アフリカ各国やキューバ旧ユーゴの国々で見て聞いて感じたこと、 アメリカも問題山積、 みたいな発見とか、諸々を通じて「どうしても答えられない質問」が自分の中に多数積み重なって、答えをくれそうな授業を取り続け、 しかしというかやはり、なかなか答えなんてものはもらえていない、ということだと思います。

先学期は初歩のマクロ経済をとり、経済発展に向けた科学技術政策と産業育成政策、みたいな授業もとり、 WTOのしくみ/貿易交渉の理論と実務、みたいのもとり、国際紛争や安全保障方面は取れなかったのでジョセフ・ナイ先生の教科書で自習し、 今期は開放マクロ経済を深め、グローバル・ガバナンス(世界統治?)なる授業をとり、、、ひたすら読んで書いて発表して議論して、 頭の中でいろんなピースがつながった気もする一方、はて、元々の問いに答えは出るかというと、、、いかに難しいかが分かり始めた、 といえる位じゃないんでしょうか。

グローバル・ガバナンスは自分にとってはなかなかヒット。教えてるJohn Ruggie教授はコンストラクティビスト(国際関係論の一派)の親玉で、 国連のアドバイザーとハーバードを行ったり来たりしてる学者兼実務家。授業のタイトルからして国連や世銀やIMFの話かと思いきや、 もっとずっと広い話をしてます。国際機関や各国政府以外のアクター(民間企業、市民社会)が国際政治にいかに強い力をもつようになったか、 という舞台設定からはじまって、国家建設、紛争解決、人道支援、国際司法から環境保全、貿易ルール設定、技術標準化まで、 諸々の分野を掘り下げます。

先学期の貿易の授業では、民間が力を持ち始めた例として「各国政府を通じてGATTを動かし、知的財産権を途上国に認めさせたのは、 実はIBMとファイザー」みたいなケースを扱いました。一方、NGOの力の例として 「必須医薬品については知財保護を緩めるように協定を改め、アフリカにAIDS薬が届くようWTOを動かしたのは、 Oxfamと国境なき医師団」みたいなケースも。どちらも世界の貿易の枠組みについて重要な出来事の1つで、 相反する利害を乗り越えて事態を前進(それとも後退?)させるために国際社会がどんな枠組みを発明してきたのか、 各国や企業がそれにどう乗っかりつつ、枠組みの形成自体にいかに影響を及ぼしてきたのか、云々。「グローバリゼーション」 とかざっくり括ってしまうと不可逆的でコントロール不可能なトレンドと思って見落としがちな、 ミクロな意味合いがたくさん詰まっていて大変面白かったように思います。今期のグローバル・ガバナンスは、そういう話を貿易から、 もっと血なまぐさい話も含めた諸々の政策分野に広げて扱っている感じがします。

並行して取っている開放マクロ経済もなかなか良し。Jeffrey Frankel教授はこの分野の定番教科書を書いてる名の知れた学者で、学生新聞のインタビューに答えて「趣味は、lifting ideas, running regressions, and jumping to conclusions」とか言っちゃう、 やたらファンキーな人。貿易政策と金融政策の理論的な枠組みがだんだん見えてきつつ、現実世界でそれがどう当てはまったか、 当てはまらなかったか、各人が実際はどう行動するのか、グローバル・ガバナンスと合わせて頭の中に新しい世界観ができてくる感じ。 やった方はご存知のとおり、経済学は単純な(しかしウソっぽい)モデルから始めて、だんだん前提条件を緩めて現実世界に近づけていきますが、 その過程が好きな人によれば「1枚1枚脱がしてるみたいでたまらない」のだとか。えーと、自分はまだその境地には達しませんが、 やっぱり理論も大事、という点には同意できるようになりました。1年目、スローンでミクロ経済嫌いだった頃から比べれば、たぶん進歩。

こういう話は、スローン的(MBA的)な世界観と、KSG的(ポリシー的)な世界観とで、二重に面白いのです。MBA的には、 個別企業にとっての競合環境とか戦略要件とかは、おなじみポーターの5 Forces(顧客、サプライヤ、新規参入、代替材、同業種競合) なんかで考えます。これの拡張版で、マッキンゼーではForces At Work(業界内で作用する5 Forcesに加え、 外側から影響する4つのexternal forces:マクロ経済要因、人口動態、技術革新、政府の規制)というのから考え始めます。 一見コントロール外に思える外部要因が、どういう力学で決まっているか、個別企業(といってもグローバル大企業)がどこまで・ どのように影響できるのか、という視点は、ケネディスクールに来るまではあまり持っていなかった視点です。でも、 少なくとも12社くらいの企業の売上は、世界の国々の半数以上の国のGDPより大きい、という話から分かるとおり、 あるいはIBMやファイザーがWTOでやったことに現れている通り、 業界リーダー格の企業はじつは外部要因に多少のコントロールを持っています。それを世界の開発目標に役立てるために国連はGlobal Compactなるものを作り、推し進めるためにGSBなるものを始め、しかしその実効力あるインプリメンテーションがいかに難しいかは、 去年の夏に身をもって知ったところです(個別各セクターで諸々の壁にぶちあたり、最後にひねりだしたのが$100 Laptopのプロジェクトだった)。民間の利害と政策目標を持続可能な形で満たすための問題解決というのは、KSG的な世界観 (どうやって世界をよくするか)と、MBA的な世界観との交差点にある、なかなか面白い仕事。しかし答えは遠い。。。

グローバル・ガバナンスの昨日のお題は「Capacity Building(政府の能力構築)」。 途上国政府が発展に向けた政策実施を自前でやってゆけるよう、横で支援していこう、という、インターンの前にちょっと書いたUNDPの本業なので、 自分は人よりそれなりに慣れ親しんだはずの話題。能力構築と一口にいっても、武装解除とか選挙運営から経済政策まで、 お国の事情によって対象も広い。授業でさんざん議論になるのは「はたして有効なのか?」という点。効果はそうそう測れないし、 そもそも開発問題はみんな、途上国が自前でオーナーシップを持って取り組まない限り持続的には解けないし、 国連や世銀やIMFの支援を受けたおかげで力強く成長した国、というのは実際のところ、ほとんど無い。 世銀やIMFのように金にものをいわせて西側の思想を押し付けると批判される機関と比べれば、UNDPは現地密着、 政府とのパートナーシップ、多様なステークホルダー間のファシリテーション(裏を返せば、金は出せないし執行権限もない) という姿勢が評価されてはいる。とはいえ、正解のない難しい仕事をやりとげられるだけの人材、予算、組織運営力、 組織学習能力がUNDPに備わっていたかというと、不遜を承知で(民間向けに同種の仕事をしてきたはずの立場から)いえば、若干心許ない。 世界が問題を抱える限り、国際機関の仕事はなくならない(メシの種には困らない)ので、まあ、やり続けるのだとは思うけれども、 このやり方を続けるのが問題解決につながるとは思いにくい。答えは遠い。。。

そして、考えてみたらコンサルティングの仕事というのも、けっこう似た構造なのですよね。企業が問題を抱える限り、 コンサルタントはメシの種には困らない。究極的には「もうコンサルタントの助けなんていらない」 というところに持って行きたいと思って仕事をしていた。また、不遜を承知で(どのお客さんの課題も個別具体的には解くのが非常に難しい、 というのは正しいと認めた上で)敢えて言えば、三流の企業に「ベストプラクティス」を持ち込んで二流にするのじゃなく、 お客さんが一流の分野で超一流になるためのお手伝いをしたい、と思って仕事をしていた。それに役立つことができたと思える仕事もあるし、 残念ながらそうでない仕事もある。けど、ならして見ると、コンサルタントが大勢入りっぱなしの「良い」お客さんが、 コンサルタントのお陰で格段に良くなって、もう手伝いをお願いしなくてよくなりました、 と言ってもらえた状況というのはむしろ珍しいのではないか? 世の中に行き渡った知識や方法論の一歩先の知見を常に蓄えて、 他から得られない提供価値を認めてもらえる組織であり続ける、というのはコンサルティング会社にとって健全なあるべき姿だし、 商業主義を排して各人の行動が組織をあるべき姿に近づけるよう、インセンティブや行動規範は驚くべき完成度で徹底されている(今でも、 これほどうまくできている組織を他に見たことがない)けれども、さて、 自分はそれでやってきた仕事が世の中をよくするのに大変役立ってきたという自負を持てるのか? 持てないとすれば、帰った後にどうすべきか?  答えは遠い。。。

こんな感じで、はたして学んでるのやら、よく分からん日々が続いています。まあ、解けなかったけど面白かった、というのも、 学生だからいいといえばいいんですけどね。残すところあと1年と半学期。ぼちぼち今日も読み物に入ります。

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