konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

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本社と地方営業所

会議4日目。

スイスやイギリス、スペインなど先進国側からの参加者も加わり、東西中欧・旧ソ連・ 中央アジアの約30カ国を代表する40名強の顔ぶれ。こんな国の人達、ボストンでもなかなか知り合いになれないぞ・・・。せっかくなので、 と、仲良くなった順に「マケドニアから、週末に遊びに行ってもいい?」と相談。セルビア、コソボ、スロバキア、できればトルコ、モルドバ、 アルメニア、カザフスタンあたりまで。楽しい夏になりそうです。

会議では相変わらず何もできてませんが、横でずーっと聞いていて、一緒に働く人々のスキルレベル、行動原理、組織力学、 先々ボトルネックになりそうなこと、等々がすこしづつ見えてきた感じです。

前にすこし書いたとおり、僕の仕事は海外国際企業からマケドニアに直接投資を呼び込み、現地産業を興し、 現地でお金が回る仕組みを作って貧困削減をめざすというもの。もう少し突っ込んでいうと、次の2つの側面がある。

1)BOP(Bottom of the Pyramid):途上国を市場とみなす。 収入レベルが1日2ドル以下の貧困層(世界に40億人)でも利用できるような通信、水、エネルギー、金融等のビジネスモデルを作り、 これらを提供する企業を誘致する。基本的サービスの浸透を通じて貧困層の生活レベルを上げる

2)Value Chain Management:途上国を調達先あるいは製造拠点とみなす。 海外展開をめざす現地中小企業や農家を組織化し、低コストを追求する国際大手企業とつないでバリューチェーンをつくる。その際、 流通過程での中間搾取や非公式経済(ヤクザ)、贈収賄等々による市場の歪みを排除し、人権侵害(劣悪な労働環境、児童就労、等々) が起きないように国際企業側のコンプライアンスを担保し、雇用創出と健全な経済発展を促す

大部分は大手企業が国際化する際に自力でやってきたこととはいえ、大半の企業にとって途上国進出は政情不安、経済不安、 現地情報の不足、未熟な法制度、等々でリスクが高かったりする。取引先の現地企業が児童就労させてたとは知らなかった、 なんて例も枚挙に暇がない。そこに、情報力や政策提言力を持ち合わせた国連が介入してリスクを下げ、CSR活動でも協業して人権侵害を避け、 貧困削減というゴールを共有できる企業の途上国進出を全面サポートするというのがこの活動の趣旨。もちろん、 中立機関の国連が特定企業への利益誘導に加担するというのはポリシー違反なので、情報公開、手法の標準化を通じて横展開を目指すのが大前提。

* * *

といったあたりが、「本部」のGSBという部門で考えられているお題目。いっぽう「現地」の状況は・・・

会議で知り合った、各国現地事務所の人達との典型的な会話:

- 事務所には何人くらい職員がいるのか。「30人くらいかな。」

- そのうち、民間に関わっているのは。「俺だけだよ。ていうか人手が足りなすぎ」

- 普段はどんな仕事をしてるのか。「Global Compact(国連のCSR推進活動)、汚職防止、性差別撤廃、 職場のAIDS撲滅、環境対策、云々。。。」

- GSBの事業開発は。「とてもじゃないけど手が回らない。そもそもGSBって、最近名前だけはよく聞くんだけど何だっけ」

 

会議の合間に、いろんな人と立ち話。

*男性。40代。マケドニア事務所勤務・民間担当(つまり、来週から僕の直属の上司)

- 今の仕事を選んだ理由は。「祖国に貢献したい。マケドニアの経済発展は遅れすぎている」

- 前職は何をしていたのか。民間の経験は。「前はアメリカ系の開発機関にいて、開発ひとすじ。国連に転職して半年」

- 国際企業からみたマケドニアへの投資機会は。「えーと。。。 ××さんがよく知ってるかもしれないから、 そのうちミーティングしようか」

 

*国連ファミリーを転々としてきたベテラン。女性。40代。

- UNDPで働いていて良いと思うところは。「現地で、自分の力で国が変わってゆくのを間近で見られるところ」

- 本部での仕事と今とを比べてどうか。「NYの本部はポリティクスばかりで、戻りたくない」

- 今日の会議を終えてみてどうか。「半分は時間の無駄。理念のプレゼンテーションはもうたくさん。 NYから来ていた今日のファシリテーター、もうすこし何とかならないのか。 コーヒーブレイクの間の実務担当同士の情報交換のほうがよほど役に立つ」

 

*現地事務所歴10年。女性。30代。

- 会議では今後の方針について、一応の一致をみたが。「きっとうまくいかない。どうして皆、 あんなに楽観的になれるのか理解できない」

- なぜ、そう懐疑的なのか。「国連はイノベーションを起こせない。新しいことに挑戦しては立ち消えになるのを何度も見てきた。 もうたくさん」

* * *

ベテランの彼女の言うとおり、会議運営は必ずしも効率的とは思えなかった。貢献してない自分が言うのはおこがましいが、目的設定、 事前の準備資料、アジェンダ、議論のファシリテーション、まとめ、どれをとってもいまいち。「参加者の時間を大切にする」 「書面でできる情報共有は事前にすませ、対面では重要課題の議論に絞る」「アジェンダ毎に次のステップを意思決定、次回までの宿題を合意」 等々、民間的な原理原則はかけらもない。

今日までの会議の主眼はGSBではなく、もっと前から取り組みが始まっているGlobal Compact。 国連の民間セクター開発はまだまだ立ち上げ段階で、欧州地域では各国の担当者が一同に会して意見交換すること自体、今回が初めて。 そんな中でもまだ知られていないGSB。目指すところは、こんどこそイノベーションだと思うのだが。 本部のGSBはM社出身のスーパーマンみたいな人達が回している。しかし、この現地との温度差、妙に冷めた目。

この活動が世界で成果を生むための国連の組織課題、というところについ目がいく。いかん。そんな仕事をしに来たんではない。 自分のミッションはマケドニアでの現地活動推進だ。とはいえ、 データ分析してインタビューして回って投資案件10個くらいを考えてレポートにまとめてサヨウナラ、で後の活動につながるとは到底思えない。 何が起きないといけないか、コンサルティングでは答えはいつも現場にあった。いちばん分かっていそうな人は会議を見ている限り、 各国で民間セクター開発の立ち上げをして回る遊撃手のような仕事をしているノルウェー人のおじさん。 初対面で自分のバックグラウンドと現状を20秒くらい説明したら、「You should define your own niche, OBSCURE AREA OF SPECIALIZATION where nobody can compete you」なんて、 いきなり心に残る一言をくれた人だ。ちょっと座って話をしたい、と、さっそく明日の朝食を約束。

先に世界に散ったインターンの連中はどう過ごしてるだろうか。元M社同僚の皆は、きっと同じ状況に直面したら同じことを考えるはず。 そろそろ連携を始める時期か。ボトムアップの新しい動き方も同時多発的にやればクリティカルマスを超える。 そろってこんな思考をすることも見越しての人選だったのかもしれない、と思うと心憎い。

残りあと9週間、どこまでやれるか・・・と思いつつも、週末の各国巡りに思いを馳せてしまう自分。もっと時間が欲しい。

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コメント


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いろんな温度差や意見の食い違いがあるようで、、それが時間をくったり足をひっぱったりせず、前向きに時間を使えるといいですね。
それにしても週末の各国めぐりは非常にうらやましい!
マケドニア奮闘記と旅行記、両方期待してます。

koji@media | URL | 2006-06-27(Tue)09:03 [編集]


ありがとうございます!
温度差は、マケドニアでは思ったより深刻じゃなさそうです。

konpe | URL | 2006-07-03(Mon)03:40 [編集]


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