konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

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プロジェクトキックオフ

先の金曜日より、先学期から仕込んできたスローンとメディアラボの協業プロジェクトがいよいよ始動。

これは、メディアラボのスポンサー企業を対象に、研究段階にある技術を製品・サービスにもっていくまでの開発マーケティング、 事業企画をMBA学生が手伝うというプロジェクト。以前の記事に書いたとおり、 MIT発のスタートアップを加速する枠組みはいくつか整っているが、 大手企業がスポンサーするMITの研究を事業面から支援する取り組みはこれまで案外なく、ブラインドスポットをうまく突いた格好。

第一号クライアントは日本の大手電機メーカーで、メディアラボと共同でセンサーネットワークという分野の研究をしている。 これを応用した商品コンセプトの設計、有望市場の特定が今回のテーマ。

センサーネットワークというのは、 各種の小型センサーモジュールからRFIDに似た無線通信を介して環境情報をあつめるという技術。 たとえば白物家電や住宅設備の制御のために、家庭内のいろんな機器や住宅に組み込んだセンサーで温度や湿度、照度、人の動き、 エネルギー消費、火災の危険、不審者侵入いった情報をセンシングする、といったもの。家庭用やビルオートメーションなど産業用、 交通インフラなどでひろく研究が進んでいるが、今回のプロジェクトは「人につけるセンサー」 を介してグループや組織の中での人間行動を観察する、というメディアラボでの研究が元になっている。

「人につけるセンサー」は今のところ不恰好なプロトタイプしかないが、人間の行動がある程度把握できるようにはなっている。 加速度センサーをもとに「立っている、座っている、歩いている、タイピングしている」といった姿勢や行動が分かる、 脈拍や皮膚伝導性を測って興奮の度合いが分かる、近距離無線のついたセンサーを何人かが持っていれば今誰と誰が向かい合っているか分かる、 マイクで音声を拾って会話を主導している人、あいづちを打っている人が分かる、といった具合。まだまだ研究途上だが、近い将来、 集団みんなに持たせてセンサーからの情報を集約・分析すれば組織の動きが手に取るように見えるようになる。いずれ製品は小型化して、 携帯電話に組み込んだり服に縫い込んだりできるようになるだろう。プライバシー問題との折り合いは考えないといけないにしても、 こうした技術をオフィス、職場でのチームワーク向上や知的生産活動の改善に役立てられないか、という視点。

スローンの学生にとっては、こういう類のプロジェクトへの参加はMITならではの機会。技術者・研究者だけでは思いつかない視点を、 というクライアントの要望もあり、いい人を集めたい。ということで、キックオフに先立つこと2週間前にプロジェクト内容の大枠を固め、 スローンにて検討チームメンバーをリクルーティングするための説明会を開催。

サイズ変更slide1

右側にあるのは「人につけるセンサー」を介して見る現実世界、左側は既存のWebや携帯電話を介して見るバーチャル世界。 バーチャル世界では、伝統的なプロジェクト管理やナレッジマネジメントの仕組みが整っている上、 組織の中での電子メールのトラフィックを解析してチームの動き方を見る、といった研究なんかが進んでいる。 これにリアル世界の情報を組み合わせれば、できることが格段に広がるはず。たとえば社員食堂で、面識のない他部門の人とすれ違いざまに 「今あなたが抱えてる仕事に役立つ知識を、この人が持ってます」なんてことを携帯電話が教えてくれる、 というのはよくある簡易なサービスイメージ。ソーシャルネットワークの現実世界版、ともいえるかもしれない。

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これまでは絵の左側にあるように技術主導で研究が進んできたが、いちど真面目にマーケットから考えてみたらどうだろう。 この種の技術が応用先になりそうな業種や企業ごとに固有の課題は何で、それに答えられるような製品・サービス、提供価値は何で、 技術要件は何か。折りしもスローン1年生は皆、先学期のOPプロジェクトで、 今回の技術で解こうとするような組織課題に取り組むコンサルティングを体験している。「センサーが自動でPolitical lense、 Cultural lenseになってくれるとしたら、どう使えるだろう」と投げかけてみたりする。

説明会は盛況で、参加希望者からぞくぞくとレジュメが届く。先週1週間で応募者全員と面接、いい人ばかりで、 クライアントと一緒に人選に悩む。けっきょく、新技術への熱意に加えて応用を考えるのに役立つバックグラウンドの多様性を求め、 以下のようなチーム構成に。

・経済学バックグランドで欧州連合で働いていた、ゲーム理論や交渉論のエキスパート

・社会学のPh.Dを持つ元コンサルタント

・マーケティングバックグラウンド、元ソニー商品企画の日本人クラスメート

・今はハーバード・ケネディ行政大学院とMIT Sloanを掛け持ちしている、電気工学出身の元エンジニア

アドバイザーとして、ウェアラブルコンピュータの第一人者、メディアラボのSandy Pentland教授と、 コンピュータサイエンスバックグラウンドながらスローンで組織論を教えるMark Mortensen助教授の協力も得られることに。僕はハンズオンで検討を主導する役回りになるのか、 クライアントの代弁者としてたまに出てきて言いたい事を言う役に徹したほうが良いか、、しばらくの間はチームダイナミクスを試してみないといけない。

*  *  *

さて、突っ込んだことを書きすぎに見えるかもしれませんが、ここまでは説明会や関連授業で公にしている内容。概念レベルのことはオープンにして外部の協力者をどんどん巻き込む、 というのがメディアラボの研究姿勢ということのようです。こういう内容に心当たりのある知人の読者諸氏、ぜひインプットください。 近いうちに、電話ブレストに付き合ってもらうかも・・・。何卒よろしくお願いします。

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コメント


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元気?
今、僕も同じように、日本のZigbeeメーカと組んで、携帯電話とセンサーネットを組み合わせて、
事業化までいきたいねーという活動をしているところです。
が、事業化するには、実用的な値段と消費電力のセンサーが少ないなあと感じているところです。

nick | URL | 2006-03-16(Thu)12:43 [編集]


nick,
おー。久しぶり。お元気そうで。
いよいよA社も動いてますな。期待してます!

konpe | URL | 2006-03-18(Sat)14:01 [編集]


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