konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

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Lowell Trip

週末、フルブライター達と行く日帰りツアーというのに参加してみた。行き先はボストン近郊のLowellという街。

バスに乗って2時間弱。地元の人には、そんなとこまで何しに行くの、と訝しがられるような片田舎。そんな所にぞろぞろ訪れる目的は・・ ・Lowellは19世紀初めにイギリスから持ち込まれた技術で繊維産業が発展し、アメリカの産業革命の発祥の地となった場所、らしい。 フルブライトではこうしたアメリカの歴史や文化にちなんだ場所を巡るツアーというのが時折企画される。貸切バスがハーバード、MIT、BU (Boston University)のキャンパスを巡り、続々乗り込んでくる参加者達は総勢30名程。 ボストン地区のフルブライターの集まりは何度かやっているが、それでもこうした企画がある度に初対面の人が大勢。 いったい全部で何人居るのか?

Lowel National Historic Parkなる場所に到着。周囲の概略について簡単な説明。運河がたくさん掘られていて、 水を動力源にした製糸工場がたくさんあったとのこと。「運河めぐりする予定でしたが、昨日の雨でボートがみんな沈んでしまったのでナシです」  そ、そういうものなのか。

町の興亡の歴史について映画(?)を見る。Lowelさんという起業家がイギリスで機械を学び、19世紀はじめにこの町に工場を興す。 数々の技術革新を経て大幅な増産に成功、世界の繊維需要をとらえて大成功したが、ほどなくアメリカ各地にライバルが出現。 価格プレッシャーの下、長時間労働と劣悪な労働環境が社会問題になり、ストに手をこまねいているうちに競争力を失い工場は続々閉鎖、 町全体が衰退していく・・・。最盛期に工場を支えていたのは地方から出てきた”Mill Girls”とよばれる15~25歳の女性達で、 体を壊しながら働いて実家に仕送りしたのだとか。「あゝ野麦峠」の悲劇は明治42年だというが、 同じ光景が日本より100年近く前にアメリカにあったとは露知らず。

続いて、ボートがないので歩いて工場を巡り、当時さながらに残されている生産設備を見学。電力が発明される前なので、 すべて水車から直接、機械仕掛けで動くようになっている。「すべて手計算で、この規模の設備を設計するのがいかに大変か」 「ここの歯車がベルト駆動に進化して、いかにダウンタイムが減ったか」・・・目を輝かせるMITのメッキー(Mechanical Engineer)一同。Lowelの資本がMIT創設の原資を担ったというから感激もひとしお。片やハーバードやBUの人文系は、 技術一辺倒で労働者の人権問題が重く捉えられていないとぶつくさ言っていて、いかにも好対照。

日米の歴史の見方も好対照。同じ史実が日本では女工哀史になり、 ここでは起業家のサクセスストーリーと技術革新の歴史として記憶されている。町全体が過去の栄光を偲ぶ雰囲気ながら、 映画のナレーションもツアーガイドも「ここ数年で新しい産業が根付きつつあり、復活のきざしがみえる」なんて言っている。いつでも前向き、 でも悲哀や情念が通じない国・・・。こんな機会でもないと学ばないアメリカの産業史と歴史観にふれて、ちょっと得した気分の1日だった。

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コメント


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毎回楽しく読んでるよ。
MITやフルブライトが学生に対してどんな仕掛けをしているかを知って
自分の生活にどう活かせるかな?とか考えるヒントがいっぱいあって面白いです。
それにしても楽しそうな生活してるなぁ。
こっちも楽しまねば。

たける | URL | 2005-10-13(Thu)02:57 [編集]


そりゃ楽しいとも。
でも、忙しさにかまけてまだちょっと受身なので、もっと仕掛けていけないか画策中。

konpe | URL | 2005-10-18(Tue)15:57 [編集]


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