konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

MIT的アントレ教育

先輩や卒業生の話を聞くにつれ、ビジネススクールの楽しみ方のツボは「いかに授業の負担を圧縮し、時間を作り、 自分が面白いと思うことに広く・深くつっこむか」にかかっている、という気がする。今は何につっこむかを見定める大事な時期、 授業の予習復習なんてやってる場合ではない。

最近よく顔を出す集まりの1つに、MITならではの起業家養成プログラムへの参加者募集説明会というのがある。以下、 諸々のプログラムのほんの一例。

(1) i-Team (innovation team)

MITの工学部、理学部で研究されている先端技術の中から商業化の目処がたちそうな素材を選び、 研究者とチームを組んで先行開発や市場調査のプロジェクトを行う。 企業でいえば基礎研究と事業開発のつなぎ役にあたる仕事を学生にやらせようというもの。これはMBA、 他学部を問わず大学院生が履修できるコースになっていて、単位にもなる。ただし、MITとしても肝煎りの、 ポテンシャルの高い題材を扱うため、参加希望者はレジュメとエッセイの審査にかけられ、厳選される。

題材となる技術はMITが伝統的に強い電気、機械、材料に加え、最近はバイオやナノテクも多い模様。今年の題材は 「これまで実現困難と思われていた、全く無害な止血剤として応用可能な新規化合物」、「カーボンナノチューブを安定して大量生産する新製法」 、「赤外線カメラに応用可能な、低コストの他スペクトル感応性光センサ」・・・等々。 相応の研究バックグラウンドか実務経験がないと貢献はむずかしそうだが、どれも産業界に骨太なブレークスルーをもたらしそうな魅力的なお題 (だと思う)。

(2) 50K Business Plan Competition

ビジネスプランコンテストの先駆けとして著名。(1)のようなステージを経て事業計画レベルに進んだ題材を、 起業をめざす学生チームが投資家向けプレゼンの形で競う。(1)より敷居は低く、 チームにMITの学生が最低1人入っていることだけが条件で、学部生でもハーバードの学生でも勤め人でも参加可能。運営側も学生団体で、 コンテスト本番前にも諸々の関連イベントが催される(アイデア・技術を持つ者とビジネス側の経験・ スキルがある者とをマッチングするディナー、著名な起業家やベンチャーキャピタリストを招いた講演会、 ビジネスプランのブラッシュアップセッション、等々)。コンテンツデリバリで一世を風靡したAkamai Technologies社を始め、 数多くのベンチャーがここから出発してIPOに至っている。

優勝・準優勝チームには合わせて$50,000の賞金が出るというのが名前の由来。 これは創業資金としては必ずしも充分な金額ではないが、賞金よりもコンペの過程で得られるチームメンバー、VCistとのコネ、 主催者側が斡旋してくれる起業経験豊富なメンター、「あの50Kのファイナリスト」といった投資家向けアピール材料、 等々の副産物こそ有益と思われる。去年のファイナリストには、におい伝達やら「ナノ燃料電池(?)」やら、 名前だけ聞くと怪しげなビジネスが名を連ねる。

(3) VentureShip

こっちは(2)のステージからさらに進み、創業間もないMIT発のベンチャーが題材。人手の足りないベンチャーが、商品開発、 有望市場の優先順位付け、顧客開拓といった実務運営のためにインターンの学生を受け入れる(ただし、レジュメと面接による選別あり)。 週5時間をコミットすることを条件に、実務経験に加えてプレゼンなど基礎スキルトレーニング、ハンズオンのメンタリングが受けられる。

今年のお題では、CRMやらm-commerceやらのソフトウェア会社に混じって、 老眼の画期的治療法を発明した会社というのが目を引いた。特殊なコンタクトレンズと目薬、 個々人の眼の形状に合わせて療法をカスタマイズするためのソフトウェアという3点セットで特許を取っていて、 ライセンス売りの商売をやるのだとか。

これらの濃密な実地トレーニングに加えて、著名な起業家の話を聞く機会などはしょっちゅう。先週から今週にかけては、Cisco Systems社長のJohn Chambers、NVIDIA社長のJen-Hsun HuangがMITで講演をした。 詳細は機会があればまた書くとして、各々印象深い内容。

すこし古いが、MITの学生・教授・OBが創業したベンチャーの全体像について面白いレポートがあるので、 簡単にご紹介。

・MIT発のベンチャーは、90年から平均して1年あたり150社誕生(毎週2~3社のペース)。’97年時点で累積4, 000社が存在

・アメリカ国内だけで8,500の工場・事業所をもち、70万人超の雇用を創出

・これらの企業の売上の合計は約23兆円。MITベンチャーを国に例えると、GDPはタイより大きく南アフリカより若干小さく、 世界で24位に相当

ここまで寄ってたかって起業を促し、ベンチャーのライフステージに合わせた手厚いサポート体制を整え、 投資家や大手企業ともつなぎながら技術主導の一大クラスターを形成している様を見ると、じっとしていられない。 MITには重厚長大系の蓄積がある分、シリコンバレーより奥行きが深いかもしれない。僕はことさら起業家志向というわけではないが、 こんな生態系を日本で再現できないか、みたいな話は元々の興味にぴたりとはまる。ここで最も効率的かつ効果的に学ぶには、 日々何をして過ごすべきか?

・・・・

サイズ変更homework

これは、MBA1学期目の必修科目の宿題リスト。同級生のひとりが、 わざわざ各科目のシラバスを集計してExcelのガントチャートを作って配布してくれた(MITらしい、、、)。これを見ると、 明日〆切の宿題は9件あり、リーディング1つとっても教科書の1~2章分だったりする訳で・・・。幸か不幸か、 基礎科目からほんとうに新しく学ぶ必要があると思えることはハッキリしているので、「捨てる力が試されているのだ」と自分に言い聞かせ、 今日も人と会う用事を優先。どうなることやら。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

長森からURLを聞きました。
ご記憶にあるかどうか・・・・、ビートを一緒にやってた仲村です。留学の話までは聞いていたのですが、まさかフルブライトでいってるとは。
やっぱ違うね。
小生は今は溜池山王にある小さなM&AのアドバイザでIT企業や技術系の企業を主に担当してます。
次、日本に帰ってくるときは声かけてくだされ。
ビートの仲間とのもーぜ。

nakamura@earthje? | URL | 2005-09-16(Fri)23:03 [編集]


osamu_tからききました。
日本のどこかで会計士やってます。
また飲みましょう。学生生活がんばって。

nagamori@eartje? | URL | 2005-09-17(Sat)01:32 [編集]


>nakamura, nagamori
おー。さすがお二方、ご活躍中のようで何より。Beatも順調のようだし。きっと緩みまくって帰るので渇入れてくだされ。

konpe | URL | 2005-09-19(Mon)03:35 [編集]


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。