konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

卒業

2日続いた卒業式が終わりました。

慌ただしく荷造りを終え、なにもなくなった部屋で、数時間後のフライトを待ちながらこれを書いています。

長かったようで、一瞬で過ぎてしまったような3年間。最後はやっぱり感傷的になるのかなあ、とか、達成感に浸れるのだろうか、とか、 色々予想していましたが、どれとも違った複雑な気分です。祭りが終わって閑散としたような、大海の真ん中に放り出されて途方に暮れたような、 走っても走っても出口の光が遠のいていくような、ラフスケッチが終わって、さあ絵の具を塗ろうというところで日が沈んでしまったような、 それでいて、暖かい、力強い光を放つ星達が遠くから静かに応援してくれているような。

IMGP1072

ハーバードの卒業式は、7,000人の卒業生を祝うために2、3万人も家族が押し寄せる大規模なもの。 伝統にのっとってラテン語のスピーチに始まり、中庭の会場設定も歌も、何かと格調高い。今年のゲストはハリー・ポッターの著者のジョアン・ ローリング女史。大方の予想と裏腹に、実世界の不条理と悲しみがちりばめられた、それでいて力に満ちたスピーチ

P6060715

MITの卒業式。今年のスピーカーはグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏。ハーバードと違うのは、 前置きナシでいきなりゲストスピーチから始まることと、全員の前で全員が卒業証書を受け取るところ、さくっと半日で終わるところでしょうか。 あとは、

P6060683 P6060706 IMGP1085 P6060702-1 P6060714

こういう人たちもいて、やっぱりMITだなあと思うことひとしきり。右端なんて火星探査船着陸ですよ。ああ、 こういうの凝るの本当は大好きなのに、ぜんぜん準備してなかった自分。ロボットかリーダーシップの図か何か考えればよかった。

*  *  *

この地で得ることができた知識、技能、友達、恩師、どれをとっても予想をはるかに超えていて、学びと出会い、発見、驚き、 楽しみと興奮に満ち満ちた生活だった。とはいえ、設定された道筋を真面目に辿って登りきれば「達成」感があったのかもしれないが、 大幅な逸脱、並行深耕、一部融合の過程を経て、残ったものは途方もない未到感といったほうがよいかもしれない。卒業は僕にとっては終わり、 始まり、区切りである以上に、中東でのインプットからコソボでのアウトプットに移る通過点でもある。

世界の現実に向き合う視座、会ったこともない地球の裏側の人たちへの共感、怖れずに自分と他者の過去と内面に接する姿勢・・・ ハーバードがくれた諸々のものは、目線を保ち人生を豊かにもしてくれる一方で、これからも容赦なく僕の地平を拡げ、難しい問いを投げかけ、 迷い、焦り、至らないことへの徒労感を生み続けるのかもしれない。現象でなく構造を診る視点、 プラグマティックに考えプラクティカルに行動する力、不断に革新を追いつつも楽観と遊び心を保つ姿勢・・・MITがくれたものは、 行動を促し進歩をもたらす一方で、ややもすると手段への埋没を助長し大きな問題を見失わせてしまうかもしれない。ふたつの校訓- veritas(真理)、mens et manus(知力と行動力)- はおそらく微妙に溶け合いながら僕のアイデンティティの一部になったが、これが相乗効果を発揮するのか相竦みで終わるのかは、 次の一歩を踏み出してみないとわからない。

僕は強くなったのか、弱くなったのか? 正しくありたいと願う気持ちが強まったのと、何が正しいのかについての混乱が深まったのと、 どちらが支配的に現れるのか? この方向で世の中に価値を出してゆきたいという行動指針は、分野の名前で専門を簡明に語れないもどかしさ、 更に発散しがちな探究心、時に視界を失って没頭しがちな脆弱なバランス感覚を、束ねて前向きな力に変えてゆくことができるのか?  別れ際に交わす固い握手や抱擁の数よりも、ああこの人とはこんな話もしたかった、あの議論が決着していない、 また会えることがあるのだろうか、と今更ながらに思うことのほうが多かったかもしれない。 3年前と比べて間違いなく増えたのは心の自由であるように思う。けれど、その代償を払い、責任を果たし、後に続く世代に胸を張れるほど、 僕は強くなれたのか?

どれについても自信を持ってイエスと答えることはできない。もっと学べたかもしれないこと、 ようやく大事だと分かったばかりの山ほどのこと、やっと見えてきた自分の領域を固めること、どれもできずに学生生活は時間切れになった。 けれども、学びにはきっと終わりがないのだ。学び続けるための武器と盾と目と耳を手に入れたと思って喜ぶべきなのだ。 弱さや迷いや邪念や逃げの姿勢を、独りで克服することもきっとできない。気付かせてくれたり、 叩いたり押したり一緒に悩んだり喜んだり慰めたりしてくれる仲間ができたことを喜ぶべきなのだ。そうやって、 自分に言い聞かせた言葉が本当になるように、前傾姿勢につんのめりながら進み続けないと、力は生まれない。

IMGP1063-1 IMGP1100

明日から1週間ほど日本にいて、そのあとコソボでの夏の仕事に向かいます。もうちょっとの間、ブログも続けます。

スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

お、この終わり方、ドラゴンボールからドラゴンボールZに変わるときみたいですね。魔人ブウ編あたりでまた再開できるのを楽しみにしています。3年間お疲れさまでした!

み | URL | 2008-06-10(Tue)16:30 [編集]


卒業おめでとうございます。これからもご活躍期待しています。
私はMITを去年の八月に卒業したので卒業式は出ませんでしたが(出るとしたら今年のでしたが)、写真を見せてもらえたので自分も卒業式に出たような感じになりました。

Go | URL | 2008-06-10(Tue)17:00 [編集]


高岡に来ることがあったら、また皆で飲みにいきましょう!今岡とか国丈とかに連絡してね♪

タカタ(高岡の) | URL | 2008-06-10(Tue)17:34 [編集]


3年間、お疲れさまでした。
これからのKonpeさんのご活躍に期待しています。
そして、後輩として、置いていかれないよう、必死に背中を追いかけたいと思います。

Masato Morishima | URL | 2008-06-10(Tue)20:45 [編集]


卒業おめでとうございます。知的にも地理的にも飛び回ってますね。身体に気をつけてください。

くろき | URL | 2008-06-11(Wed)01:15 [編集]


おめでとう!
いつもながら、君の姿勢をみて自分を恥じるね。
どうでもいいけど、隣のねえちゃんナイスやね(笑)

ま~ | URL | 2008-06-12(Thu)00:35 [編集]


ご卒業おめでとうございます!!
日本にはまた短期滞在なんですね!?コソボのお話なども面白そうですね!ぜひ今度教えてください^ ^
カイシャに戻ってこられるのも楽しみにしています~

mizuki kikawa | URL | 2008-06-12(Thu)01:48 [編集]


卒業おめでとうございます。
MITのおもしろ帽子卒業生の写真の右から2番目、かなり仲良い友達です。びっくりした。
小職も無事にPCの商品企画に戻ってます。
日本で会えると嬉しいですけど、忙しいですかね。

non | URL | 2008-06-12(Thu)01:49 [編集]


卒業おめでとうございます!
ほとんど入れ替わりでBostonですが、戻ってくるの、楽しみにしています。

Yukari | URL | 2008-06-15(Sun)04:48 [編集]


ご卒業おめでとうございます.
今後のご活躍,期待しています.
また,いろいろとお話を聞かせていただく
機会がもてればと思っています.
「学びにはきっと終わりがないのだ」
きっと,そうなんでしょうね.
私も日々学びです.

シゲ | URL | 2008-06-17(Tue)13:32 [編集]


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。