konpe's 夜の仕事記

民間セクター開発、BoP、Clean Tech

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今更ながら続き:30にして・・・

15にして学に志し、30にして立つ、40にして惑わず、50にして天命を知り、60にして耳に従う、 70にして心の欲するところに従えども矩を超えず。・・・先々週に30になってみて、改めて身に染み渡るこの言葉。 あと10年は自信を持って惑いつづけるぞ! 、、と、決意だかなんだかわからない決意を新たにする今日この頃。 見定める方向はぼやっとしながらも、立った自信はある。(←いいのか?)

なにかと締め切りが重なった2週間。各授業でのチームプロジェクトのためにケネディとスローンを連日往復して打ち合わせし、 ボストン中心街にあるクライアント企業に出向き、プロポーザルを書き、モデリングをし、Skypeをし、レポートを書き、プレゼンを作り、、 、。起業アイデアのプロジェクト、とある島ぐるみの代替エネルギー投資ポートフォリオ設計、 コンサルティング某M社を題材に選んだシステムダイナミクスの成長モデル、ケースの戦略分析、自分の修論の研究設計・・・と仕事は山積み。 どれも知的にエキサイティングだし、チームメンバーも刺激的。・・・なのだけれど。

どうも、どれにも身が入らないというか、深いところで心に響かないというか、主導権を人に任せがちになってしまうのは、 やっぱり頭の半分以上がハイフェッツのTA仕事で埋まっているせいか。ここでの出来事はたんなるTA仕事というのを超えて、世界観、 自分観とか目標設定とかに容赦なく、日々新しい問いをなげかけてくる。

最近のハイフェッツ授業・大教室でのリーダーシップ失敗ケースは、どちらも戦争絡みだった。 守秘義務があるので個人が特定できる詳細は控えるが、ひとつは中東で大部隊を率いていた人の、もうひとつは反戦運動に関わった人の「失敗」 体験。(自分も含めて)多くの人にとって、個人的背景から心のどこかを刺激される要素の強い・聞いていて相当つらいものがある悲劇で、 まだ学期初めで参加者の習熟度合いが低いこともあり、皆できちんと向き合って分析できたとは言いがたい。

タイミングよく、TA担当グループのミッドキャリア学生に教えてもらって内輪の勉強会に連れて行ってもらう。「戦争の民営化」 と題したプレゼンおよび討論会は、とあるPMC(Private Millitary Contractor:民間軍事会社)の 「戦略的事業開発担当副社長」を務めていたミッドキャリアの学生がホストしてくれたもの。 軍と契約した民間軍事要員がイラク民間人に対してとった行動をとらえたセンセーショナルな映像が出回り、 たいへんな物議をかもしているのはご存知の通り。そもそもPMC、PSC(Private Security Contractor) とは何ぞや、どういう背景から生まれて、どんな業務をしていて、どういう法的根拠のもとにどういう状況なら民間人を「engage」 する権限を与えられているのか、といった具合にプレゼンは進む。 ミッドキャリア同級生には軍の人やら国防省の人やら市民団体の人やら色々いて、議論はヒートアップ。 上記のケースにも通じる根底の問題のむずかしさがなんとなく伝わってくる。

PMCや軍の人が直面する課題として時折耳にするのは、(あってはならないことだとは思うが)「ミッションに関する混乱」だ。 このオペレーションの目的は国防なのか、外交なのか、開発なのか・・・DOD(Department of Defense:国防省) ミッション、DOS(Department of State:国務省)ミッション、 USAID案件に関わる安全確保ミッション・・・ 政府が一枚岩でないのはどこの国でもきっと同じで、機関ごとに思惑があり、 軍が動員される際の要請や圧力を明確に切り分けることが難しい場合もあるのだろう。ものによっては、 とてもまっとうな理由で国際世論のきびしい批判に晒され、当事者が正統と考える事由とそうでないものとが容易に混同され、 前線で実務に当たる人達がそんな混乱を内在化してしまうと悲劇が起きる・・・。

国防や外交については全くの素人ながら、開発には多少なりとも関わる機会があった者として、自分の仕事を取り巻く、 自分には見えていなかった文脈について改めて考えざるを得ない。たしかに、 平和構築や貧困削減のプロジェクトがすべて純粋な人道的目的で動いているとはいいがたい。国際開発に流れる資金のうち公的なもの (ODA)は各国政府が税金から出しているのだから、国益を反映させる意図がはたらくのはある意味当然だ。 ハイフェッツ授業で担当小グループで最近あったケースの1つも国際機関が取り組んだ開発プロジェクトの失敗が題材だったが、 現場の意思決定をむずかしくしていた状況の背後にあったのはアメリカと国連の間の方針対立だった。

ボストン界隈の日本人で開発を議論する際にも、たまに「日本は開発、外交、国防、通商を総合的に考えられているのかどうか」 という議論になる。できているのか、以前に、すべきなのかどうか、が論点なのかもしれない。世銀やアジア開銀、 アフリカ開銀などに日本の財務省から赴任していた方々と、夏にいろんな意見交換をしたのが思い出される。一見正統な開発目的を掲げながらも、 裏では露骨に国益誘導(資源の権益、国境線の引き直し、政権転覆支援、云々)をはかる欧米先進国と対峙して、その思惑を暴き、 国際金融機関の理事会での意思決定を正しい開発目的に引き戻すのが、 開発にその他の目的を他国ほど持ち込まない日本にこそできる貢献の仕方であると、ある方はおっしゃっていた。自分は開発の立場からは、 とても賛同できる。でも、そうでない人もいるだろう。

もし、自分が中長期的に開発の道を志すとしても、開発の知識なり専門性をつけて、 開発専業の国際機関で働くのがどうもまだしっくりこない、というのは、こういう世界観からかもしれない。 軍事や外交に即した各国の思惑だけでなく、民間主導の直接投資の金流にしても、商流にしても、 貧困格差解消とか温暖化抑止とは違う方向に動くのが自然なしくみになっているのは明らかだ。 安易なアンチグローバリゼーションに組する気はないにしても、去年の授業(貿易の枠組みとか国際金融とかグローバルガバナンスとか) を通じてなんとなく自分の中に形成されたのは、開発努力という力がくるくる小さく動き、 それを凌駕して余りある大きな力が逆方向にぐるぐる回っている系の中で、開発専業の機関は正しいボタンを押しているのだろうかしらん、 という世界観だった。系全体の振る舞いを変えうるレバレッジポイントは、WTOかもしれないし、資本市場かもしれないし、 国際多国籍企業の行動指針かもしれないし、市民一般の生活志向かもしれないし、よくわからない。 もう10年たっても多分よくわからないのかもしれない。強いて言えば、IFCは今仕掛けようとしている大きな組織変革を経て、 もっともっと力強く成長して、ひとつのレバレッジポイントを突く例外的な開発機関とよべるものに変貌していくのかもしれない。

いずれにしてもそんな世界観を念頭におきつつ、一方で自分が本心から喜びを得られること、これまで積み重ねていて出来ること、 が重なる領域をみつけ、そこから上記の世界観に何かしら近づく線を引き、その線上を移動する推進力が得られそうな自分のプラットフォームを、 所属する組織なりネットワークなりを組み合わせて卒業後にどう築いていくか、ということを考えている。 自分が喜びを得られてそれなりに自信もあると思える仕事はきっと、 分野の境界を行き来しながら数多の人の志に作用して協業を触媒する動き方と、ビッグピクチャーから正論を吐き続ける問題解決なはずだ。 そんなのができる身の処し方があるとすれば、それは・・・。

そんな話をケネディ・スローン合同プログラム同期のLにしたら、大きな世界観には賛同するが、 それでも自分は開発の現場に携わり続けることで喜びを得られるから開発の道に進みたいのだ、という。 ある国際機関のポジション募集広告を一目見て、これこそ自分のドリームジョブだといって熱心に就職活動している。成る程、 迷いが無いのは強い。

ドリームジョブなんて言える仕事に巡り合えるとはうらやましい、とか言いながら歩いていたら、あっ、 と言葉を失って立ち止まるL。彼女の目線を追うと、先を歩いているのは講演でケネディスクールに来ていたムハマド・ユヌス氏。 氏はLにとっては開発の道を志すに至った原動力であり心の師。狂喜乱舞しながら本やらカバンやらばらばら落としつつ駆け寄って、 握手と記念撮影を懇願する。僕にとってもフルブライトの大先輩なので、機に乗じてご挨拶。なんとも温かみのある、 謙虚ながらも視線の熱いお方だった。講演を聴いてまた感銘を受ける。これだけ揺ぎ無い性善説に立てて、 折れない志と分け隔てない人類愛があってはじめて、ノーベル平和賞ものの仕事ができるのだ。でもそんなユヌス氏も、 グラミン銀行を創業したのは36歳の時。それまでは大学で経済学を教えたりしながら、これで国が救えるものだろうかと迷いに迷っていたのだ。 30歳で迷って何が悪いものか、と、また決意だかなんだか分からない決意が強まる。

今日はDCのIFCにて同居インターンをした3人で、久々に会食。仕事上の志も私生活の志も多分に共有した貴重な戦友だ。 たぶん別々の道に進むけど、その道はきっと先で交わって開発に通じている。卒業後5年たったら参集して日本でこんなのぶち上げよう、 みたいな話で大いに盛り上がる。35歳で始めればユヌスより早いじゃないか。勝手に壮大な事業領域とビジネスプランと人繰り計画まで考えて (少しでも心当たりのある貴方、既にカウントされています 笑)、夜は更ける。

どんなに迷おうとも、人生楽しいです。

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